話す機能が衰えた夫の言葉がもう聞き取れず ただ頷いて見せ手を握る 肉が削げ細くなった夫の足を摩りつっ 病床に過ごす妻なる時間
2017年3月のブログ記事
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缶コーヒーを買い夫と遊んだ白爪草の原 続く筈だったそんな日々 温もりと憂いを秘めた病む夫の 瞳の奥の優しさに また恋し始める
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操られ赤子のように手足を上げる 夫の目が喜ぶリハビリテーション 手を握りあれこれと可笑しく報告し 病む夫の笑顔があればそれでいい
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責任は私が取ると一滴のコーヒーを飲ます 胃瘻の夫に 病院脇のイヌフグリを名を知らぬ儘に 愛でてきたその可憐さと青の色
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出先で貰ったこの菓子は 夫と食べたかった胃瘻してない元気な夫と 病む夫を見舞いし帰りの道端に 少しばかり春の息吹のスミレ草