病む夫の瞳みつめて

操られ赤子のように手足を上げる
夫の目が喜ぶリハビリテーション


手を握りあれこれと可笑しく報告し
病む夫の笑顔があればそれでいい

病む夫の瞳みつめて 2

責任は私が取ると一滴のコーヒーを飲ます
胃瘻の夫に


病院脇のイヌフグリを名を知らぬ儘に
愛でてきたその可憐さと青の色

病む夫の瞳見つめて

出先で貰ったこの菓子は


夫と食べたかった胃瘻してない元気な夫と




病む夫を見舞いし帰りの道端に


少しばかり春の息吹のスミレ草