病む夫の瞳みつめて 5

美しい夕日を見た感動を
   
 病む夫に語り伝える
   
 分かると信じて



今日もまた病床に思い出紡ぐ


   何時か来るその日迄


   精一杯に

病む夫の瞳みつめて 4

話す機能が衰えた夫の言葉がもう聞き取れず


ただ頷いて見せ手を握る



肉が削げ細くなった夫の足を摩りつっ


病床に過ごす妻なる時間

病む夫の瞳みつめて 3

缶コーヒーを買い夫と遊んだ白爪草の原


続く筈だったそんな日々




温もりと憂いを秘めた病む夫の


瞳の奥の優しさに また恋し始める