美しい夕日を見た感動を
病む夫に語り伝える
分かると信じて
今日もまた病床に思い出紡ぐ
何時か来るその日迄
精一杯に
美しい夕日を見た感動を
病む夫に語り伝える
分かると信じて
今日もまた病床に思い出紡ぐ
何時か来るその日迄
精一杯に
話す機能が衰えた夫の言葉がもう聞き取れず
ただ頷いて見せ手を握る
肉が削げ細くなった夫の足を摩りつっ
病床に過ごす妻なる時間
缶コーヒーを買い夫と遊んだ白爪草の原
続く筈だったそんな日々
温もりと憂いを秘めた病む夫の
瞳の奥の優しさに また恋し始める